アグラの空に白く浮かぶように佇む、タージ・マハル。
それはただの建造物ではありません。
それは「愛を石に変えた記憶」であり、「死後にも語り継がれる想いの彫刻」です。

まず、その美しさ。
白い大理石が朝日に染まり、夕暮れには金色に輝く――
まるで時の流れとともに姿を変える幻想のよう。

左右対称の精緻な造形が描く、静かなリズム。
見る者の視線に、そして心に、「調和」という穏やかさを授けてくれる。
中央に佇むのは、白大理石で包まれたドーム型の霊廟。
その真下には、皇帝シャー・ジャハーンと最愛の妃ムムターズ・マハル。
眠るふたりの物語が、建築という形のなかに、息づいている。
築400年近く――それでも、世界中から人が絶えず訪れる理由。
それは単なる美しさの先にある、心の震え。
「感情が、形になることの奇跡。」
芸術も、科学も、
すべての創造の根源は「人間の想い」にたどり着く。
この霊廟は、喪失、愛、記憶という深淵を、
建築で語ろうとした挑戦の結晶。

日本からインドへ、数十時間の旅。
けっして容易くはないその道の果て、
目にするのは「時空を越えた、愛のかたち」。
涙を流す人もいる。
それはこの建築が、遠い誰かの話ではなく――「自分自身の感情」と重なってゆくから。
タージ・マハルには、静寂のなかに、自分を見つめる余白がある。
それは、心に語りかけてくる空間。
永遠を願う者たちが、想いを託した、白い霊廟なのです。
コメント